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JUNK HEAD/YAMIKEN  コマ撮り長編アニメ「Junk Head」完成!
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ミキサー決定版
技術系の話しはつまんないのかなー? と思いつつ、

コマ撮り人形は当然、柔らかい素材じゃないと動かしてアニメーション出来ないのですが、自分はフォームラテックスという化粧のパフと同じような素材で人形を作っているのです。

それは液体状の天然ゴムを泡立てて、それを加熱して人形の形にするのですが、使いこなすのがかなり難しい素材なのです。

そこでまず液体状のラテックスを泡立てる作業から始めるのですが、この素材は数分で硬化してしまうのでどれだけ早く、そしてきめ細かな泡立てをするかが難しいのです。

泡立ては最初に早いスピードで攪拌して空気(気泡)を混ぜ込み、徐々に攪拌スピードを落として最初に混ぜ込んだ大きな気泡を砕いて小さな気泡にして滑らかな泡にしていくのです。

そこでまず重要になるのが泡立て器自体の形状で、結局一番良いのは普通に売っているワイヤー状の泡だて器です。



そして、フォームを作るときですが、量を多く作る時はこういうミキサーを使えばいいのですが、
IMG_0960.jpg


紙コップ一杯とか、少しの量で作りたい事も多々有るのです。

その場合良く使われるのがこういうハンドミキサー。
IMG_0949.jpg


ただ泡立て部分がいけません。

なので一本のブレードをカットして変形加工します。
IMG_0951.jpg

そうすると格段に泡立て効率が良くなります。

でもまだまだ不十分。


ということで、今回の決定版。

まず紙コップ一杯用は既存の先端を切り落とし、バネ加工されたステンレスのワイヤー(ホームセンターで購入)を加工して、ステンレスの細いワイヤーで固定して半田付け。
IMG_0962.jpg


もう少し多く作りたい時用のやつはは、100均で買ったこれをくっ付ける。
IMG_0952.jpg




そしてこんな感じに。
IMG_0959.jpg



ワイヤーの細さや本数をまだ攻めれるけど、でもこれほぼ世界最強だと思う。

更に低速回転させる為のスピードコントローラも必要だけど、これがこれからのフォームラテックス業界標準装備でしょう。

もうホントこれ持ってないと「あんたマジ大丈夫?」とか言われちゃいますよ?

とかいいながら材料がまだ無いので試してないんですけどね。


2014/09/24(Wed)03:53 [ フォームラテックス ] Comment/6. . TOP ▲
ヤバヤバ
前に作ったフォームラテックスの人形が大変なことに・・・グゥァ~~~~ン


コマ撮り

コマ撮り用セット

ツルツルのモチモチだったのに2~3ヶ月したらこんな事に!!!


観察してみると真鍮を使った間接部分に集中しているみたいで
アーマチュア制作者の川村さんにも聞いてみたんですが、やっぱり原因は真鍮の触媒毒によるフォームの劣化の様です。 


真鍮に直に触れるとフォームが劣化するのは知っていたので、こんな風に真鍮部分にはサランラップを捲いていたんですが影響が有ったみたいです。

コマ撮り




普通はフォームだけを焼いて後からカットしてアーマチュアを埋め込む場合は、ラップを捲くかラッカースプレーを吹くとかで良いらしいんだけど、最初からアーマチュアを埋め込んでフォームを焼く場合は別みたい。


川村さんによると完全に防御するにはアーマチュア自体にメッキ加工をするしか無いらしいです。



今まで作った人形ほぼ全滅・・・・涙


メッキして全部作り直す時間は無いので出番の多いキャラだけ何か別の方法で作り直して、後はてテキトーにごまかすいかない・・・




うぅぅ~~~~~~~~~~年内完成キビシィ~~~~~~~~~~~~~




あ~~~~~~~~~~~~~~もぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~



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2011/04/26(Tue)03:00 [ フォームラテックス ] Comment/5. Trackback/0 . TOP ▲
フォームラテックスマニュアル 4 (自己流)
フォームに使う型はだいたいシリコーンか石膏です。

原型が硬質素材の場合は完璧なテーパーラインを作らないと石膏型では
抜けなくなるので、弾力の有るシリコーンで型を作ります。

原型が油粘土等の軟質素材の場合は石膏型の使用が出来ます。

どちらも一長一短な所が有るのですが、石膏型の方が手軽に出来て
材料費も安く済むので自分は大体石膏型で、細かなパーツの場合はシリコーンです。


自分の使っている石膏は良くその辺で売っている安いやつです。
フォームラテックス


複数のフォームを抜く場合なら樹脂系石膏等の良い物の方が良いのかもしれません。
安い物でも今の所6回位使えています。
石膏型を作る時は必ずスタッフ(繊維)も使用します。


石膏型を作る時には合わせ面に少し加工します。
型


部分アップ
型


画像では見にくいですがフォームに接する面と凹凸のキー部分以外を削っています。

断面略図
フォームラテックス


フォームを詰めて型を合わせる時に余ったフォームの逃げ道を作ってやります。
若干の差ですがこの隙間が無いと、その部分に溜まったフォームの量だけ
仕上がりのテーパーラインが太くなります。

自分は石膏型を作った後にこの情報を知ったので削っていますが、
最初から石膏型を半面作った後に、その部分に粘土で薄く盛っていても良いです。
この隙間が有ると加熱後フォームを取り出す時に、楽にクサビが打てるので楽です。


仕上げの離型材は色々試したのですが今はこれを使っています。
離型材


車用のコーティング材ですが、離型効果が良く、液体なので使いやすいです。
(記憶がチョット曖昧で一層目にカルナバ蝋系のカーワックスを塗っていたかも・・)

安いシリコーンオイルスプレーの様な物は、フォームラテックスの
フォーミング材の界面活性剤の影響で、オイルがフォームに吸収され離型効果が悪いです。
信越シリコーンスプレーの様なシリコーンパウダーのみの様な物ならいいと思いますが、
値段がちょっと高いです。


フォーム加熱後、型の熱が完全に冷めてしまうと剥がれにくくなるので、まだ温かい内に
型から取り出すのですが、注意が必要なのは型が熱すぎる内にオーブンから取り出し、
外気温との温度差が大きいと急激な収縮により石膏型にクラックが入ります。




end
2010/12/25(Sat)08:37 [ フォームラテックス ] Comment/0. Trackback/0 . TOP ▲
フォームラテックスマニュアル 3 (自己流)
フォーム作製道具の紹介。
フォームラバー





アメリカ製スタンドミキサー(サンビーム)
ネット購入2万円位。小ボールは別取り寄せ。ここで購入
ある程度の量を制作する時に使用します。
フォームラテックス

このミキサーはワイヤータイプのアタッチメントが付属していて
ボール自体も連動して回転するのでかなり良いです。
アメリカ製で60Hz使用ですが問題無いです。(今の所)

撹拌効率だけを考えるならキッチンエイドの様なタイプの物の方が良いのですが、
弱点は撹拌中にゴムベラが使えないと言う事です。
液体の撹拌は細かく見るとボール表層の極薄い層で混ざらない部分が有ります。
型に詰める時にゴムベラで掻き出すと混ざっていない部分が不良原因になります。


 

少量の作製の場合は何処でも売っている様なハンドミキサーを使います。
ブレードを1本にして紙コップ位の量でも作製出来ます。
フォームラバー

このミキサーのブレードは幅を半分にカットして撹拌効率を上げる改造をしています。

フォームラテックス

左がノーマル、右が改造後
(加熱して焼き鈍してカットし、内側に折り曲げてから加熱して焼き入れ。)

このタイプのハンドミキサーは回転速度が早いので、別途スピードコントローラーが
必要になります。(回転が早いとキメの荒い泡になります。)
最初は早めで手早く泡立て、仕上げ段階の泡立ては
撹拌スピードが遅い方がきめの細かい泡になります。
このミキサーで最低回転数が分/800回転なので半分位のスピードに落とします。




フォームラバー

左が最小単位1g~1Kg   右が最小単位0.1g~200g
作製する量によって使い分けます。 1g単位の物は前後0.5gの幅が有るので
細かな調整が必要な場合には右の秤を使います。



クリーム絞りのビニールの先を加工
フォームラバー
塩ビの水道管パーツのネジを加工、別売りのコーキングガンのパーツ(ホームセンター)





以外に重要なのがこれ
フォームラテックス道具
自作の鉄製スタンド。
一人作業だとビニールにフォームを詰めるのは結構難しいです。

このビニールにフォームを詰める時や、ミキサーで撹拌時にゴムベラで混ぜる時もそうなんですが
丁寧にフォームを扱わないと巻き込んだ空気はそのまま残ります。

運が悪いとその空気部分が表層に現れ、欠損状態になります。




結束線とハッカー
フォームラテックス



この様に使用します。
フォームラテックス


これだと手軽に、かなり強い力で型を縛り合わせられ、
結束線をつなげればどんな形の型にも対応出来ます。

型の合わせ目はそのまま仕上がりに残るので、
型の作り方から、この縛り迄が重要になってきます。




end
2010/12/24(Fri)08:35 [ フォームラテックス ] Comment/0. Trackback/0 . TOP ▲
フォームラテックスマニュアル 2 (自己流)
フォームの扱いで重要になるのがpH値なんですが
pH値は0~14までの目盛りがあり、7が中性になります。
7よりも数字が小さくなるほど酸性が強く
7よりも数字が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。

製品により多少のばらつきが有りますが、ベース材・フォーミング材・キュアリング材は
それぞれpH10.5位です。(アルカリ性)

そして中和させる為に投入するゲリング材はpH4.5位です(酸性)


しかし上記3種類を撹拌するときにアンモニアが気化して抜けて行きアルカリ度が
下がって行きますが、ゲリング材を投入前の材料のアルカリ度が低いと
中和(固形化)される迄の時間が短くなります。

なのでポイントはこのアンモニアの消失をどれだけ抑えるかということが重要です。

方法としてはミキサーでの撹拌効率を上げ手早く泡立てる事です。
ミキサーの回転部分を改造したりして、メーカーのマニュアルの撹拌時間よりも
短い時間で泡立てれば、それだけで固形化までの時間が伸びます。

さらに時間を伸ばすやり方として、ゲリング材投入前に市販のアンモニア水を
混ぜておきpH値を10.5位迄引き上げておくと劇的に時間が伸びます。
アンモニア水はpH12.5位です。

あと投入するゲリング材を少なくしても時間が伸びます。
ただ少ないと拡散率が下がるので撹拌時間が長くなります。

厳密に時間調整をしようと思えば材料の量や、そのpH値や撹拌状況の管理でかなり
自在に調整出来ますが、数学的な知識が必要になってきます。

自分のやり方としては短時間で泡立ててから、ゲリング材投入前に重量比で1%位の
アンモニア水を混ぜて、少し減らしたゲリング材を投入しています。

状況で変わりますがこれで30分~1時間位の可使時間が得られるようです。



フォームは空気に触れている部分からアンモニアが抜けて固形化が始まって行くので
ケーキのクリーム絞りのビニール袋等に詰めても時間が伸びます。
特に複雑に入り組んだ型の場合、クリーム絞りのやり方は有効です。


固形化までの時間が長過ぎる場合は、構わず加熱を初めても大丈夫な様です。



※上記方法での制作物の経年劣化はまだ未確認です。
 1作品の撮影する分には問題ないと思います。




end

2010/12/23(Thu)08:32 [ フォームラテックス ] Comment/0. Trackback/0 . TOP ▲